沖縄は民話の宝庫ともいわれるくらい、各地にたくさんの民話が受け継がれています♬
今回ご紹介する民話は、沖縄本島北部の本部町に流れる、涙川(本当にあるかは不明)のお話です
Contents
天の神様と太陽と月
むか~し、むかしのお話じゃ・・・
天の神様は太陽と月を、じぶんの子どものようにかわいがっていました。
いつもお出かけするときは、てんびん棒に乗せてあげて、西へ東へ南へ北へと旅をみんなで楽しんでいました。
この世は、昼も夜もありませんでした。
そんなある日、
さて、今日はどこへ旅をしようかのう…。おまえたちは、どこか行きたいところはあるかのう?
っと神様は、太陽と月にたずねました。
すると、太陽がまっかっかな顔で、飛び跳ねながら、言いました。
あるある!! 東のはての海の向こうが見てみたい!!
そうかい、そうかい。月もそれでよいかのう?
すると、月はあごを突き出して、三日月になって言いました。
やだやだ!! 西の山の、そのまた山の向こうへ行ってみたい!!
東の海と、西の山…。まったく逆方向じゃ…。困ったもんじゃのう…。
神様は、頭をかかえ込んでしまいました。
どうしても東の海へ行きたい太陽と、どうしても西の山へ行きたい月は、神様の耳に向かって、飛び跳ねて、大声で叫びました。
まっ赤な燃えるような大声と、鋭くとんがったかん高い声で、同時に大声で叫んだものだから、神様はびっくり仰天!!
ありひゃ~!!!!!!!!!!!!!!!!
突然の叫び声に驚いた神様は、腰を抜かしてひっくり返ってしまいました。
その時、てんびん棒がバキッ!っとまっぷたつに折れてしまいました。
そのはずみで、太陽は東の海のかなたへ、月は西の山のかなたへ、ビューン!っと飛ばされて行ってしまいました。
あっという間の出来事に、神様はしばらくぼう然と立ちつくしていましたが、やがて折れてしまい空になったてんびん棒を見つめて泣き出しました。
どこへ行ってしまったのじゃ…。太陽よ!月よ! 代わるがわるでかまわないから、毎日、姿を見せておくれ…。
この時から、東の空から、朝になるとさんさんと太陽が照らし、夜になると月がこうこうと輝くようになったそう。
そして、神様が流した涙は、やがて川となり流れ出しました。
それが沖縄本島北部の本部町にあるといわれる『涙川』だそうです。
※ベビーカーの無い昔は、小さい子をてんびん棒に乗せてかついでたんだって。
右のカゴに赤ちゃん、左に収穫した野菜とかをのせてバランスをとったりしてはこんでいたらしいよ~(‘ω’)ノ
いますぐ使える沖縄方言
簡単に口にできそうな方言なので、「うちな~ぐち」つかってみてください♪
- びっくりしたとき…「ありひゃ~!!」
- 太陽があついとき…「てぃーだカンカンだねぇ~」
- お友達が悲しんでいるとき…「なだそうそうだねぇ~」(/・ω・)/よしよし
由来に民話はセット
沖縄の成り立ちや、川や海や岩や動物や…
数えるとキリがないくらい、身近には民話がたくさんあります。
小さい頃から、まわりにありふれていて、気にもとめていませんでした(‘◇’)ゞ
地域でうまれた「民話」を、子ども達が知る機会がとても少なく、おじいさん&おばあさんと触れ合う時間が無くなってしまった今日この頃。
出かけた先で、「この地域には…」っと話をしてくれることもなくなり、寂しさを感じます。
また、「この地域では…」っと話そうにも、地域開発が大きく進み、物語の生まれた時とはだいぶ様変わりしているので、話自体が忘れ去られ、消滅してきているように思えます。
そのため、小学生低学年の子にも読みやすいように、シリーズ化してみようと思いました♪
へたっぴな絵とともに、お楽しみいただければ幸いです(*^^*)